『芙蓉友奈は勇者でない』『芙蓉友奈は語部となる』舞台探訪レポート 第1回

2023-06-28 22:52:09 来源:哔哩哔哩

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『芙蓉友奈は勇者でない』『芙蓉友奈は語部となる』舞台探訪レポート 第1回 高屋神社編

2023/01/31

数百年にも及ぶ人類と神の戦いの歴史と、その人類を守る勇者に選ばれた少女たちの運命を描く『勇者である』シリーズ。その中の1作、イラストノベル『芙蓉友奈は勇者でない』の物語の続きを描くビジュアルオーディオドラマ『芙蓉友奈は語部となる』がG'sチャンネルにて春ごろから連載予定。その連載を前に、2つの物語の舞台のモデルとなった地域を実際に訪れる、舞台探訪企画がスタート! 第1回目は、『芙蓉友奈は勇者でない』第1話に登場した、高屋神社をご紹介します!

第1話で柚木がリリを探すために訪れたのが高屋神社の本宮。“我は壁と天を睨む水神として待つ者なり”。そのリリの謎かけを、壁と海が見える高い場所にいると判断して、柚木は最初にここへとやってきます。その通り、高屋神社とは、香川県観音寺市にある標高約404mの稲積山頂上に本宮を、その麓に中宮と下宮を構える神社。本宮の境内には“天空の鳥居”と呼ばれる鳥居が建てられており、観音寺市街や瀬戸内海を望む人気の展望スポットともなっています。さて、ここを訪れる際は麓の下宮から徒歩で登っていくのが正しい参拝ルートなのですが、もう足腰が弱り始めている取材班は、観音寺駅前からタクシーへ乗車! 実は、山の裏側から狭いながらも車道が整備されており、車で山頂近くの駐車場まで行くことができます。この乗車したタクシーの運転手さんがとても優しい方で、山道を上りながら街の説明や、高屋神社のお話をしてくださいました。その話に耳を傾けている間にあっという間に山頂近辺へと到着!

↑舞台探訪のスタートは観音寺駅前から! ここはTVアニメ『結城友奈は勇者である』でもおなじみの光景。観音寺駅へと降り立ったら、まずまわりを少し散策するのもオススメ。アニメと同じ風景を見つけられるはず。

↑ぐねぐねとした山道を駆け上り、30分弱の道のりで駐車場へ到着! 注意点として、土日祝日および特別な期間は車の通行が禁止されます。その代わりにシャトルバスが運行されているようです。

↑車を降りる際に運転手さんに教えていただいたのが駐車場そばにある隠れ展望スポット! 市街と反対方面の丸亀方面を望むことができ、こちらも必見ですね。

駐車場からはいきなり急な坂道。息を切らしながら少し歩いたところで、高屋神社本宮に到着! その先には、想像していた以上の絶景がありました。眼下に広がる市街と、はるか先まで続く海岸線の曲線が非常に美しい……。街全体を見守るかのように、境内の端に建立された“天空の鳥居”と風景とがマッチして、どこか神秘さも感じられました。本来は本宮にお参りするのが先なのですが、それすら忘れ、すごいすごいとつぶやきながら風景に見入っていました。ここが山の上とは思えないほどの、荘厳な構えの本宮にもそのあとにしっかりお参り。素晴らしい眺めと、神社ならではの落ち着いた空気をいっしょに体験できるこのスポット、『勇者である』シリーズ作品が好きな人はもちろん、そうでない人もぜひ行ってみてほしいです!

↑おそらく柚木も見たであろう絶景。ここには晴れの日に来るのがオススメ! 取材班の到着直後は少しモヤがかかっていたのですが、それもまた神秘的でした。

↑おもわず背筋が伸びるような、ピンと張った空気感と荘厳な建物がお出迎え。絵馬をかける場所や、神符授与所もありました。

↑下宮から登ってきた方や、展望を楽しみたい方へ向けての東屋が設置されています。ここには、高屋神社の御朱印や絵馬、観音寺の特産品を扱う自動販売機がありました。

さて、帰りはきちんと参道を下ります! まずは正面に見える約270段の石段下りから。それを降りきると、木々に囲まれた本格的な山道へ。最初こそ緩やかな下りだったものの、途中からはごつごつした石がむき出しになっている、少し狭くて急な道に! つづら折りになっている場所もあり、慎重にゆっくり1歩1歩……。それでも途中軽く滑ってしまい、めちゃくちゃ冷や汗をかきました……。ただ、ひたすら道が険しいというわけではなく、時折展望が開けていて、下るに連れて目線の高さで変わっていく風景も楽しめます。途中には小さな鳥居のある高屋神社中宮もありました。そうして足元に気をつけつつ約の参道を約1時間かけて下山しましたが、普通の人ならこれより早い時間で降りられるかと思います。ちなみに、登りは50分程度だそうです。この取材中に登ってこられた方や、参道ですれ違った方には、本格的な登山スタイルの方も多くいらっしゃいましたし、麓からの参拝の際は滑りにくい靴は必須! この道を文句をいいながらも登りきったうえで、さらにリリを探しに行った柚木、やっぱり相当な体力の持ち主なのでは。

↑急な勾配なのがよくわかる石段。登りの場合はここがラストスパートにして、核心部! 振り返ると絶景、なのはとてもよいのですが、高所恐怖症の人には少し辛いかも?

↑途中には足元が大きな石だらけで、狭いつづら折りの場所も。つまづきやすく、人とのすれ違いにも注意したいところ。雨が降った翌日などは滑りやすいと思いますので気をつけましょう。

↑勾配が緩やかな場所では、木々に囲まれて自然をゆっくり楽しめます。どうやら野ウサギにも出会えるらしい、というお話も聞いていたのですが、残念ながら遭遇できず!

柚木が『芙蓉友奈は勇者でない』第1話で登ったであろうこの石段。『勇者である』シリーズ作品の1つ『勇者の章』でも登場しています。この時は天の神の呪いを受けた主人公・結城友奈が、自分の命と世界を天秤にかけた、大きな決断をすべく登っていました。せっかく来たので、柚木や友奈の登った感覚を味わおうと、少し降りてから石段を登ってみたのですが……これがとんでもなくきつい! 段差が小さいわけではないので、しっかり足を上げて1歩1歩登りました。この前に山道があってからの急勾配、想像しただけでも絶望です。柚木はともかく、体力を奪われていたはずの友奈もよくここを登りきったな、と息を切らしながら実感しました。

↑作中に登場したシーンとできるだけ合わせて撮影してみました。こういう楽しみ方も舞台探訪ならでは! なお、撮影する時は、まわりに十分注意しましょう。

↑この時すでに、天の神の呪いが相当進行していたと思われる友奈。体力はほぼなかったはずなので、気合と根性だけで登った様子。そのあとにたどり着いたのは、あまりにも悲しすぎる、自己犠牲の決断――。

一生に一度は訪れたい場所、という表現がありますが、まさに高屋神社がこれ。“天空の鳥居”からの風景、特に晴れた日のものは絶対に見ておいて損はないレベルです! 繰り返すようですが、神社のかもし出す厳かな空気と素晴らしい展望がマッチしていて、パワースポットになっているのもわかった気がします。作品的には、柚木と友奈もきっとこの風景を見ていたはず。1人は、謎解きのあてが外れて残念に思いつつ、もう1人は、残り少ない命で悲壮な決意を胸に秘めつつ。2人の“友奈”が数百年の時を経て、同じ場所で同じ風景をまったく違う状況で見ていた、というのも想像するとなんだかエモさがあります。

↑神社裏から駐車場に続く道には、トイレと自動販売機が完備されていますので万が一の時も安心。ですが、参拝、特に下宮から登る際には事前にしっかり準備しておきましょう。

神の力を得て人類を守る西暦の勇者たちと、その天敵である異形・バーテックスとの大戦から約30年後。神々の集合体・神樹が形成した超常的な結界の中、四国ではようやくかりそめの平穏を取り戻し始めていた。大戦を知る世代が残る中で、それを知らない新たな世代も生まれ育っていく。いわば、新たな時代への過渡期にあった、神世紀29年。中学2年生の柚木友奈は、なにかを成し遂げるための“力”に憧れながら漠然とした日々を過ごしていた。そんなある日、学校で怪しげな文句とともに“勇者部”勧誘のチラシをばらまく美少女、芙蓉・リリエンソール・友奈と出会う。自分と同じ“友奈”という名前を持つ同級生に興味を持った柚木は、芙蓉に電話で連絡を取ってみるものの、突然リリのいる場所を探す謎かけを出されるのだった。柚木は、リリの言葉を頼りに、自分なりに推理を進め高屋神社へと向かう――。

舞台探訪の第1回は高屋神社をお届けしましたが、いかがだったでしょうか? 本当にこの景色、みなさんにぜひみていただきたい! 次回以降も神世紀最初の“勇者部”が歩んだ道のりを追って、舞台のモデルとなったさまざまな場所を紹介していきたいと思います。第2回は、もう1つの“天空の鳥居”といわれ、リリがひとり柚木を待っていた場所を探訪!

『芙蓉友奈は勇者でない』の物語が気になった人は、全国の書店にて現在好評発売中の単行本『結城友奈は勇者である 勇者史外典』上下巻をぜひお手にとって見てくださいね! 『芙蓉友奈は勇者でない』以外にも、『上里ひなたは巫女である』『烏丸久美子は巫女でない』という読み応えたっぷりの2作品に加え、書き下ろしノベル1話も収録されていますよ。

■結城友奈は勇者である 勇者史外典 上 

■結城友奈は勇者である 勇者史外典 下 

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